3月はひな祭りですね!
女の子にとってワクワクする行事で、飾られた雛人形を眺めてはうっとりしてしまうのはあるあるだと思います!
ところで、いざ雛人形を飾ろうとするとき、
「男雛と女雛、どっちをどっちに飾るんだっけ…?」
と悩んでしまうことはありませんか?
1年に1回の行事ですから、飾り方に悩んでしまうのは仕方ありません。
実は、男雛と女雛の配置は関東と関西で違うって知っていましたか?
そこで今回は、関東と関西での雛人形の飾り方の違い、どうして違うのか、また飾る方角は決まっているのかをまとめました!
さらに、男雛・女雛含め十五人全ての役割についても調査しました!
それではどうぞ!
※この記事は4分程度で読める内容です。
雛人形を飾る時期や購入時のポイント、相場についてはこちらの記事にまとめています↓
雛人形の飾り方
関西編

関西で作られた雛人形は「京雛」と呼ばれ、向かって右側が男雛、左側が女雛になるように飾られます。
また、ひな祭りのお祝いも新暦の3月3日ではなく、旧暦の立春、今の4月3日におこなわれます。
ただし、最近は全国の流れに合わせ、3月3日にひな祭りイベントが行われることが多いようです。
関東編

関東で作られた雛人形は「関東雛」と呼ばれ、向かって左側に男雛、右側に女雛を飾ります。
ひな祭りをお祝いする時期は3月3日であることが多いです。
関西以外の方はこれがよく見る雛人形の飾り方なのではないでしょうか。
それぞれ位置が違う理由は?
関東と関西で飾り方が違うのには天皇の即位式が関係しています。
元々雛人形は天皇皇后両陛下の様子を模したものです。
したがって、雛人形の飾り方も天皇皇后両陛下の位置に倣って飾られるのですが、大正天皇より前の天皇即位式と、大正天皇以降の天皇即位式で、天皇皇后両陛下がお並びになる位置が異なっているんですね。
元祖は京雛の飾り方で、天皇は向かって右側、皇后は左側にお並びになって即位式が執り行われていました。
というのも、これは中国文化の影響を受けているためなのですが、中国は「左上位」「左上座」といわれる習慣です。
つまり、左側が上座ということですね。
舞台を見た時なんかでも、向かって右側を「上手」、左側を「下手」というと思います。
これも中国文化の影響なんですね。
一方で、「関東雛」は「京雛」の逆でしたよね。
これは大正天皇以降の即位式に倣った飾り方になります。
どうして大正天皇は今までと逆の位置でお並びになったかというと、プロトコールに従ったからなんです。
プロトコールとは外交上の規則のことで、その中に「右上位(Right on the first)」があったのです。
ということで、大正天皇以降の即位式では西洋の「右上位」に倣い、天皇が向かって左側(天皇側から見ると右側)に、皇后が右側(皇后側から見ると左側)に並ぶ配置になったんですね。
ちなみに、京雛のような並び方を「古式」、関東雛の並び方を「西洋式」と呼ぶようですよ。
飾る方角にも決まりが?!

地域ごとの飾り方とその由来について分かったところで、今度は
「もしかして方角にも決まりがあるのかな…?」
なんて気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は雛人形の飾る方向は…
特に決まってはいません。
もったいぶるなよ!!と怒られそうですが…(すみません笑)
決まってはいないので家の置けるところに置いて欲しいのですが、当たり障りのない方角としては、東向きか南向きという考えが多いようです。
理由としては、神棚を置く方角が東向きか南向きといわれているからです。
ひな祭りは女の子の厄を払い、幸せを願う行事であるので、出来ることなら縁起の良い場所に飾りたいものですね。
おまけ〜雛人形にはそれぞれが役割があった!〜
先程、雛人形は天皇皇后両陛下の様子を模したもの、というお話をしました。
でも、雛人形って男雛と女雛だけではないですよね。
三人官女や五人囃子、左大臣や右大臣など、全て合わせると十五人も存在します。
実はこれ、宮中の結婚式を模しているんですね。
並び方については即位式ですが、雛人形自体は結婚式ということになります。
天皇皇后両陛下のような幸せな結婚が出来ますように、という願いが込められているそうですよ。
さて、男雛と女雛以外の人形ですが、それぞれどんな役割を担っているのか、あなたは知っていますか?
今から全ての役割をご紹介していきますので、一つずつ確認していきましょう!
・男雛、女雛…天皇・皇后両陛下を模したもの

引用元:安藤人形店
・三人官女…男雛、女雛の身の回りのお世話をする女性たち。お祝いの白酒をもってお仕えしている。両脇は立ち姿、真ん中は座り姿で真ん中のみ眉なしお歯黒(既婚女性)。

引用元:安藤人形店
持ち物は向かって右から
長柄銚子(ながえのちょうし)
嶋台
加えの銚子
となる。
・五人囃子…今でいう美少年楽団。

引用元:安藤人形店
向かって左から
太鼓
大鼓(おおかわ)
小鼓(こかわ)
笛
謡
と、鳴り物の大きな音の順で並び、能楽を演奏する。
・随臣(ずいじん)…男雛と女雛を養護する武官。左大臣、右大臣とも呼ばれる。文武両道の意味も併せ持ち、左大臣は老人で学問と知性の持ち主、右大臣は若者で力を司る者といわれている。

引用元:安藤人形店
・仕丁(しちょう)…男雛と女雛が外出する際の従者として様々な雑務をこなす。3人の顔はそれぞれ泣き上戸、笑い上戸、怒り上戸となっている。

引用元:安藤人形店
まとめ
・由来は天皇の即位式によるもので、関西は「古式」、関東は「洋式」の飾り方といわれる
・雛人形を飾る方角は決まっていないが、一般的には神棚と同じ東向きか南向きに飾られることが多い
・雛人形は天皇皇后両陛下の結婚式を模したもので、それぞれに役割が存在している
いかがだったでしょうか!
調べてみると思った以上に奥が深い雛人形。
今年は歴史や由来を知った上で雛人形を飾ると、より味わい深いものとなるのではないでしょうか!